ピアノはただ、鍵盤を押して音を鳴らせば良いというわけではありません。
より音楽的に表現できるように、いろいろな角度からアプローチして曲を奏でていきます。
私はこの作業が好きです。
ピアノと対話しているような気分になるんですよね…。
と言うと、何か危ない人みたいですが(笑)
私にとって音楽は第二言語です。
楽譜は作曲者からのお手紙で、演奏は作曲者へのお返事。
そこに言葉は存在しないから、解釈は色々あって当たり前で
「私はこのお手紙をこう読んで、こう受け取りました。お返事書いたので読んでください。」
という言葉をが、読譜→演奏→発表と繋がっていきます。
楽譜に記されているのは、白黒の音符と記号。
白黒で描かれた絵画に色づけしていくような時間を、大勢の人たちと分かち合いたいと思って、ピアノ教室を開きました。
大人になってしまったから、ピアノを習うのはもう遅いと感じていらっしゃる方も多いと思いますが、そんな事は全くありません。
確かに大人になってからでは、コンクール出場だとか、ピアニストになるとかだと難しいですが、ピアノは、そのためだけに存在しているのではありません。
「お手紙を読んで、返事を書く」
のです。
何世紀も前の時代に生きていた偉大な作曲者達からのお手紙ですよ!
その時の彼らの時代背景に思いを馳せながら演奏する。
その想いはピアノに伝わり、ピアノは音で返してくれます。
何て素敵な時間でしょう!!!
華やかな舞台の上で演奏することだけが全てではないのです。
日常に、当たり前にピアノがある生活をしましょう!