ピアノを弾く姿勢、意識してますか?

2024.03.01

皆さんはピアノを弾く時の姿勢、ちゃんと意識できていますか?
導入期の生徒さんには特に
「良い姿勢で弾くよ~。」
と伝えています。

ある時年中さんのEちゃんに
「何で???」
と聞かれました。
「良い姿勢で弾くと綺麗な音になるんだよ~」

確かにそうなんですが・・・。
子どものころから慣れ親しんだピアノ。
当たり前のようにピアノの前に座り、強く意識しなくても正しい姿勢で演奏できる。
でもその姿勢について正しく言葉で説明できるのか???

という事で『正しい姿勢』について、全ての生徒さんに改めてレッスンする事にしました。
今日はそのレッスンの中から反響のあった部分を少しご紹介します。

まずは写真を2枚見比べてみてください。

どちらが正しい姿勢かは一目瞭然ですね!
一枚目と二枚目の違いは、座骨の角度です。
座骨を背中の方に倒しすぎてしまう(おへそを後ろに落とすイメージです)と背中が丸くなり、お尻と椅子との接地面が広がってしまいます。
更に骨盤が後ろに傾いていると、足の裏でしっかりと床を踏みしめられないので、上半身を支えられません。
結果、体重を乗せた大きく重い音を出すことができませんし、体から遠いポジションで演奏したくても、上半身が自由にならないので、座面を移動したくなってしまいます。
演奏中ポジションが移動する度に座り直すことは、例外もありますが、基本NGです。
そもそも、見た目に美しくないです(笑)

骨盤の山型になっている部分の頂点が座面に垂直に刺さるような角度で、椅子に浅く腰掛け、太股の裏側をベッタリと座面に押し付けないようにしてください。
足の裏でしっかりと床を踏みしめ、股関節が左右に楽に動かせる状態がbestです。
小さなお子様に踏み台が必要な理由はそこにあります。
足がブランブランの状態では、上半身をしっかり支える事ができません。

続いて2枚の写真を見比べてみてください。

一枚目は正しい姿勢で両手を上にしています。
二枚目は骨盤を後ろに倒した状態で両手を上にしています。
コレわざとじゃないですよ(笑)
骨盤が後ろに倒れていると、色んな所に負荷がかかってしまって、思い通りに腕が挙がらないのです。
ぜひ皆さんも試してみてください!

背中が丸くなることで、腰から肩甲骨、肩にかけての筋肉が引っ張られてしまうので、結果腕の筋肉が思い通りに動かないのです。
ピアノは指先だけで弾いているのではありません。
ピアニストさんの中には『肩甲骨から指が生えて動いているイメージで弾く』とおっしゃる方もいらっしゃいます。
見た目以上に、上半身を使って演奏しているのです。
例えば背中が丸くても、指は動きます。
でもその指の筋肉は腕から肩、そして背中へと繋がっているので、正しい姿勢の時のように自由には動かないでしょう。
どれだけ『ハノン』を頑張っても、効果は半減してしまいます。
これだけが原因とは言い切れませんが、いつまで経っても指の動きが思い通りにならない方は、姿勢を見直されると良いかもしれませんね。

これだけでは全然語りつくせていませんので・・・。
もっと詳しく知りたい方にお勧めの本をご紹介します。

『からだの使い方』(ピアともシリーズ)
[著]小野ひとみ先生
[総監修]小原孝さん(ピアニスト)

イラストや写真がたくさん載っていて、初心者の方にも分かりやすい文章で書かれていますので、ぜひ読んでみてください!

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